シ『摩衣‼何をやる気だ‼』
「私は私に出来ることをする‼それでもし体に何が有っても…私の責任だから‼」
そう言うと自分の体に触れ
「外で泣いてるの聞こえてんでしょ!?こんな所でいつまで寝てんの‼親なんでしょ‼あんたがやらんで…誰があん子達ば守っとね!!!!」
透けた体で何度と自分の頬を殴り涙でぐしゃぐしゃになりながら顔を近付け
「お願い…あんたが頼りなの…あの子達を…助けて…」
一粒の涙が頬を流れ自分に落ちた瞬間…
淡い光が自分の周りを包み込み
「…ん…幸大…湊太…」
『先生患者が何か言ってます‼脈も戻って‼』
『!?急いで外にいる子を連れてこい‼』
バタバタと手術室の中が慌ただしくなり看護婦が扉を開けると子供達が走って中に入って来て
『ママ、ママごめんなさい‼』
『ママ、ママァァ…ヤダァァ…』
両腕に我が子が医師を押し退け泣き叫んでいる声が聞こえゆっくり目を開け
「…何ばしよっとね…こぎゃん血ば流して…謝る前に自分達の事ばせんね…婆ちゃん達に…
迷惑かけなすな!!!!」
優しく二人に笑って怒鳴り付けるとそのまままた意識を失い
『急いで点滴!!!!輸血も早く!!!!子供達も外に出して‼』
『さっお母さんの治療進めるから二人もちゃんと治療しておいで?』
看護婦に優しく声をかけられ手術室から出ていく二人をまた透けてる体で見ていて
『幸大、湊太!!!!なんばしよっと…幸ちゃん?』
『ママが…自分の事しなさいって…怒られた』
『ママ…笑ってるのに怒ってた…』
『きっと二人が治療しないから怒ったんだ…怒られない為に治療うけような?』
親に抱き付き頷く二人に安心したように床に座り込み
「良かった…治療するって…良かった…」
肩を震わせ涙を流しながら良かったと何度も呟き
シ『何が起きたんだ…どうしてお前はそんな事が出来たんだ!?』
体を揺らされ尋ねるシンに何も言えずしばらく黙っていて
シ『とにかく子供達の側に行くぞ。話はその時にすれば良い』
荷物の様に担ぎ上げられ体に力が入らずだらんっとしたまま連れていかれた。
あの時の優しい声は誰?