with love
ユ『…クソ…っ‼』
部屋に入り近くの物を蹴りながら溜め息を出していて
ユ『何であんな風にしか言えないんだ…』
一人落ち込みながら自分の布団を準備していて
シ『ユンホ、ちょっと話さないか??』
後ろに立っていた社長にびっくりしながら振り向き
ユ『何ですか、俺の言ったことなら』
シ『んなの気にしてねぇ。無理するあのバカにはあのくらい言わねぇとわかんねぇだろ。それとは別だ。座れ』
近くの椅子に座る社長に溜め息を吐きながらベッドに座り
シ『お前にだけもう少し話しておく。どうせお前も気になってる事あるだろ?』
ユ『あの人は何故あんなに強がるんですか?何があんなにあの人を縛るんですか?』
ポケットに入れていた写真を社長に見せて
ユ『これは何ですか?』
シ『…お前、そっか、だから俺にあんなに敵意を向けてたんだな…』
苦笑しながら写真を見る社長に自分の行動の浅はかさに項垂れ
ユ『すいません、でも…』
シ『それはアイツの子供だ。年は…9才と5才の男の子。その子供の為にアイツは無理に笑おうとしてる。』
社長が自分の言葉を遮る様に話を始め
シ『さっきも言ったがアイツの家族の行方は分からない。それをアイツには言ってない。でも約束したそうだ。
どんな時でも笑っているって、自分が笑っていれば子供達もきっと笑ってるって。』
ユ『そんな、そんな約束って』
シ『無意味だと思うか?でもそうでもしないとアイツはきっと生きてる事さえ辞めちまう。ユンホ、お前がどう思っても構わない。ただな…
アイツを守ってくれ。アイツを家政婦じゃなく一人の人間として見てやってくれ』
頭を下げる社長に戸惑い
ユ『社長はどうしてそこまで?』
シ『アイツは俺の大切な人に似てる。誰かを幸せにしたいって願うアイツに…替わりなんて居ないんだ、でもその人が望んでた幸せをアイツには付かんで欲しい。だから俺はアイツに執着するんだ』
苦笑する社長の顔は何故か穏やかで寂しそうだった
ユ『俺にあの人を守れますか?俺は東方神起も守らなきゃいけない…そんな大任任せられても』
シ『全部背負わなくて良い。東方神起を一番に、アイツはその次で構わない。』
俺はそこまで重荷を背負わなきゃいけない現実から逃げたかった…
でも…
シ『なぁ、たまにで良いアイツの名前を優しく
呼んでやってくれ。自分を見失わないように』
ユ『名前…そう言えば名前を聞いてませんね』
シ『他の奴の前では呼ぶな。遠くない未来アイツを元の場所に戻すとき辛くなるから』
名前を教えて貰えず怪訝すると
シ『アイツは皆の前ではポチだ。そして
お前と二人の時だけ…
摩衣って呼んでやってくれ』
優しくあの人の名前を呼んでいる社長の姿は何処か神々しく
ユ『社長、あなたは…』
シ『よろしく頼む。俺がアイツを元の場所に戻すその時まで…』
ユ『貴方は狡い人だ。そんな風に頼まれては断れない…』
俺の崇拝する神があの人を守りたいなら…
俺は…
ユ『出来る限りの幸せを彼女に…笑って過ごせる日々を共に…』
俺はその時からあの人に…
摩衣を好きになっていた。
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