with love
ぉぃ…起きろ…ぉぃ…
「んん、うるさいなぁもぅ起きてるって…はっ‼こうだい、そうた?」
起こされる様な声が聞こえバチっと目を開けると何処か屋根瓦が目に入り
「へ…なぁぁぁ!?何此処‼私さっきまで道の真ん中に居たはず?」
慌てて起き上がり周りを見てみると自分家の屋根の上
「あれ、どうして屋根の上に?」
『やっと起きたか…おぃこっちだよ』
後ろから声が聞こえ振り向くとソコには…
「白髪のイケメン?変な服…ヤバ系」
目の前にイケメンが居るも本能的に危険と察知しゆっくり離れようとすると何処からか泣き声が聞こえ急いで屋根の下を覗くと
『ママァァママ‼ヤダァァ‼』
『ママ、血が出てるよ…早く病院行こう?』
『どうしてちゃんと縛って無かったんだ‼そのせいで娘が!?』
『そんなことより救急車‼摩衣しっかりしなさい‼もうすぐだから‼』
泣き叫ぶそうた、状況が理解できずずっと自分を揺すってるこうだい、工事のおじさんの胸ぐらを掴み叫んでる父、血塗れの人に呼び掛けてる母…
「どうしてその人に私の名前を呼ぶの?摩衣此処に居るよ?」
血塗れの人が自分だと信じられなく手を伸ばすと腕が透けていて…
「え…ウソ、透けてる?何で…いや、やだよ‼」
自分の腕を擦るも全く感覚が無くパニックになっていて
『おぃ、そろそろ俺の話聞け、じゃないとお前そのまま死んじまうぞ』
ずっと側に居た白髪のイケメンが話し掛けて来て
『生きたいなら生きて家族の元に帰りたいなら俺の話聞け』
イケメンがゆっくり近づいてきて
「まだ、死んでない?本当に戻れ『それはお前次第。死ぬも生きるもな…』
ボロボロ泣きながら白髪のイケメンを見て
『俺の話を聞いて。自己紹介がてらお前の運ばれる病院に行くぞ。』
そう言うとイケメンは私を持ち上げ屋根から飛び降り私を抱き上げたまま救急車の屋根の上に居り話を始め
『俺の名前はシン、皆からは神様、死神、天使、悪魔等と呼ばれてる。それと受け入れ難いかもしれないがあれはお前だ。』
顔を持ち上げられ血塗れの人が救急車に運ばれて居るのが見え
「沢山、流れてる…あれで生きてるのは貴方のお陰?」
『あぁ…このまま此処に乗っていく、しっかり捕まってろ。』
シンの脚の間に座らされしっかり抱き締められていて
「…あの、この格好なの?めちゃくちゃ恥ずかしいんだけど?誰かに見られたらどうするんですか?」
『見えてねぇよ…誰にも俺とお前は見えない、見えちゃダメなんだよ…』
これが現実なのか理解出来なくて…
ただ怖かった。
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