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『ママ…ママが良い‼側に行く、離して‼』
『そうちゃん、ママ頑張ってるからお願い治療を受けて』
『僕のせいだ…僕がママを見付けてそうたと走っていったから…』
『違う‼あれは事故だったんだ‼だからこうだい、そうたと一緒に治療を受けてくれ』
手術室に入ろうとする湊太、泣きながら俯きその場から動こうとしない幸大。
「どうして、あんなに血が出てるのにどうして治療を受けないの!?」
シ『受けたくても受けれないんだ。母親の怪我が自分達のせいだと頑なに嫌がってる。それにお前には見てえてるな?あの黒い渦が…』
子供達の下に真っ黒の渦が広がり二人の足を掴んでいて
「何あれ…あのままじゃあの子達が!?」
シ『あの渦に呑まれて目を覚まさなくなる…俺はあの渦に近付けない。あの渦はあの子達の闇その物だから』
「だったら私が行く‼あの子達を助けに行くから離して‼」
どんどん深まる渦にもがきシンの腕から逃れようとして
シ『ダメだ‼お前が関わればもっと深まる‼あの渦に飲まれれば3人とも死んじまう。』
「じゃあどうすれば、このまま黙って見てるなんて‼」
シ『生身の体を持たない俺達じゃダメなんだ‼さっきも言ったろ、見てるしかないんだよ…』
「そんな…そんな事って…湊ちゃんママ此処に居るよ?幸ちゃん…幸ちゃんのせいじゃ無いんだよ?お願い…お願いだから治療を受けて」
泣く我が子に振れ様とするも透けている自分の手では触れるはずがなく…
「どうして、私は無力なの…親なのに…子供達が泣いているのにどうして何も出来ないの!?」
苛立ちが隠せなく泣き叫び自分の体がある手術室を睨み付けふと小さな声が聞こえ
『あなたなら出来る…守れるから…自分を信じて?』
「私なら出来る…何が!?こんな体じゃあの子達に…そぅよ、この身体だから…じゃああの体なら…」
はっ‼とした顔で手術室の中に無意識に入っていき、自分の血塗れの体を見つめていた。
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