with love
シ『なぁ、お前さ歌が好きだったよな?』
「んぁ?そうだけど、なに急に?」
新しいタバコを取り出しながらシンを見上げ
シ『俺さ聞いたことない。』
「…いやよ?私自慢じゃ無いけどそんなに上手くないもん。歌うのは好きだけど誰かに聞かせるようないい声じゃないし」
手をヒラヒラしながら火を付け
「大体聞いてどうするの?」
シ『…聞きたいだけだ。何となく』
「…私は替わりじゃないよ…」
シンを睨み腕の中から抜け出しってまだバックハグされてたんだ…
「何度も言うけど、私は替わりじゃない。あの人と私は別の人、あんたが私を替わりにしたくても無理。」
火を付けたばかりのタバコを手のひらで揉み消し
「…あんたのその何気ない行動はね私の此処を痛くするの。この手のひらよりもずっと…
痛いんだから…」
自分の胸を叩きシンをベランダに残したままポケットに手を入れ部屋の中に入り
「社長が説明します。自分はしばらく一人になりたいんで部屋に居ます。何か有りましたら声をかけて『替わりなんて思ってない‼』」
ベランダに居たシンが酷い顔をしながら叫んでいて
ユ『社長?』
シ『替わりじゃない…ただ…』
「…はぁぁーなんなん?あぁ?んな顔したらしてやるとでもおもっとっとね?バカじゃ?」
こめかみに青筋を立ちながらシンに近付き服の襟を引っ張り顔を近付けて
「…何が聞きたいと。ワンフレーズだけばい
だから…社長の姿に戻れ。少し若いよ」
五人から見えないようにシンを隠し小声で指摘をし
シ『…悪い…』
「とに、どっちが恩人か分からんじゃなかね」
項垂れてきたシンの頭を撫でてやり田舎弁丸出しの日本語をべらべら話していて
シ『お前、やっぱりそっちの話し方の方があってるな…』
「喧しか、んで何が聞きたいと?早くして」
頭をゴスっと殴りシンから離れ背伸びをしながら体を少し動かし
シ『得意なので良い。』
「得意って…はぁ~マジ少しだけんね」
頭をガリガリ掻きゆっくり深呼吸をして歌を歌い始めた。
その時、皆が居たのなんて忘れて好きな歌を…
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