with love
「過去に飛ばす?どういう事?」
シ『お前を2006年の冬にある奴等の元に送る。何故過去かは分からんがそう決まってるらしい。そして此処から大事な事だ。
まずお前を家政婦として送り込む。家事など身の回りを文句言わずする事。
次に過去に戻っても現代の事を絶対に話してはいけない。
家族、子供、結婚全て隠すこと。もし、何かの拍子でバレた時、お前に有り得ないほどの激痛が体の何処かに起きる。家族を思い不安や悲しみを出した時も同様だ。だがもしバレても送り先の奴等がお前を受け入れた時はその痛みは一度切りとなる。
受け入れて共に痛みを分かち合う事になる。
次に送り先にはとりあえず男として行く事、別に自分から男と名乗らなくて良い。ただ仕草やその胸を隠す努力はしろ』
「あの~自慢じゃないけど…私胸Dカップあるんだけど。それに家事とかも結構苦手部類に入るんだけど…」
シ『まぁそんなもんは有りそうだよな。さらしとか巻いて頑張って隠せ。家事には慣れていくしかないだろうな。
最後に…その時代の人を好きになるな。もし好きになったとしてもその気持ちを伝えないこと。お互い気持ちを伝えたい時は…悪いがこっちに戻す時全ての記憶を忘れて貰う。そして、お互いに何か後遺症が残る。』
「後遺症…それは私だけって事にはならない?どうして相手の人にまで?」
シ『連帯責任だ。互いを思ったそれが罪になるからな。その条件を飲んで明日お前を送り届ける。』
そう言うとひらっと窓の上に飛び乗り
シ『明日迎えに来るまで此処で全てを整理しとけ。俺は手続きをしてくる』
そう言うとそのまま消えてしまい
「本当に…神様か。今日色んな事があったなぁぁ~」
誰も居ないベッドにダイブをしながら話された事をゆっくり整理していて
『失礼します。無事に手術は終わりました。頭を強く打たれているので目覚めるのが分かりませんが…』
『ありがとうございます。お世話になりました。』
点滴や沢山の包帯酸素マスクを付けた自分が病室に入ってきて
「すご…こんなんで生きてるんだ。でも…生きてるんだよね。」
子供達に近付き自分の体を見ながら小さく誰に言うわけでもなく…
「…怖いな…」
自分の腕を握り震える体を抱き締め
「でも…願いは…この子達の笑顔がもう一度…それが願いなら…良いよね?」
子供達を見つめ優しく笑いながら朝が来るのを待っていた
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