with love
シ『そんな時だ…親父から呼び出しがあって』
「お父さん?お父さん居たんだ…」
シ『今はもぅ居ねぇけどな。親父が次の人生に足を踏み出す…生まれ変わるから俺達のどちらかが親父の後を引き継げって。俺は当然兄貴が選ばれると思ってたんだ…』
「貴方が選ばれた、ついでに婚約者も交替って変な話じゃないよね?」
シ『そこまでねぇよ。確かに兄貴じゃ無く俺が親父の跡目を就いたけどそれは兄貴が言い出したんだ。』
『俺よりシンの方が適任だと思う。誰にもやれなった死神と天使の仕事を両立させて皆からも慕われてる。こいつならきっと神の仕事もちゃんとしてくれると思う。』
シ『そう言って笑ってる兄貴がスッゲーかっこよくて俺大好きだったんだ。でも現実はそんなに甘くなくて…親父の父親、じいちゃん達がな結婚しないと生まれ変わりは無し、とか言い出してな。俺は兄貴達が居るからそんなの関係ないって言ったけど受け入れて貰えなくて。ミアが俺の婚約者になったんだ…でも俺達は』
シンの周りに闇が見え始め辛い思いなのか深くなるのが早いと思い慌ててシンのおでこに頭突きをして
「しっかりしなっせ‼悔やんでももぅ起きてしまった事でしょ?貴方が呑まれたら誰がお兄さんを助けるの?貴方は…お兄さんを助けたいから私を生かしてるんでしょ!?」
自分の使命が何となく分かり始めシンを優しく抱き締め
「また、お兄さんと笑いたいんだよね?」
シ『俺達は…結婚なんて無理だった。ミアも俺も兄貴が大好きだから。でも…そんな事を悪魔が兄貴に囁いて兄貴を…堕天使にしちまった…
天使の中でも長たった兄貴が堕天使になった事で俺達の世界が揺れミアが命を落としたんだ。』
「もぅ良いよ。もう良いから…だから泣かないで?」
涙を流すシンを優しく抱き締め頭を撫で
シ『悪魔が…兄貴を唆して誰よりも優しかった兄貴がどんどん変わっていく。それが嫌だった…だから兄貴の処分を俺が請け負うため…俺は兄貴を裏切る行為を…』
「婚約を受けたんだ…つらかったね…」
シ『俺が俺の力で兄貴が元に戻るならと思って…でも兄貴は話を聞いてくれなかった…説得に一緒に行ったミアをミアが本音を話そうとしたときにはもう遅くて…ミアが俺を庇って死んじまった。俺は誰も守れなくて…』
『ミアを奪ったお前を許さない。今度は誰にも邪魔されずミアを俺の物に…お前にも他の誰にも渡さない。誰にも…』
シ『あの言葉が頭から離れない…でもミアが死ぬ前に教えてくれ事があった。』
『もしあの人が、どんどん闇に飲まれるならお願い助けてあげて。優しいあの人を、戻し方はお父様の書斎にあるから…誰にも見付からずに見に行って…そして私の愛した人を…お願いね?』
シ『俺はミアを送った後誰にも分からないように書斎に行き兄貴の戻し方を探し出した。見つかった本には…兄貴の愛したミアの魂を受け継いだ人に手伝って貰う事、その人が人を幸せに自分を幸せにすればミアが後はどうにかするって…』
「結構アバウトなんだね…幸せにって私こんなんだから誰にも見えないし…それに誰を幸せにするの?」
シ『それをこれから話すんだ。お前は俺の言葉を信じるのか?こんな出鱈目すぎる出来事を』
信じたく無かったけど…何となくミアさんの声が聞こえて来たから
きっと私に拒否る権利が無かったと思う
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。